イノベーションのジレンマ

イノベーションのジレンマ
イノベーションのジレンマ(英語:Innovator's Dilemma)とは、優れた特色を持つ商品を売る巨大企業が、その特色を改良する事のみに目を奪われ、顧客の別の需要に目が届かず、その商品より劣るが新たな特色を持つ商品を売り出し始めた新興企業の前に力を失う理由を説明したマーケティングの理論。ハーバード・ビジネス・スクール教授のクレイトン・クリステンセン(Clayton M. Christensen)が、1997年の著書 The Innovator's Dilemma: When New Technologies Cause Great Firms to Fail (『イノベーションのジレンマ - 技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』)のなかで初めて提唱した。


最優秀な人材を集めるエクセレント・カンパニーが、新しい安価な技術にあっさりと駆逐されてしまうこと



事例:コダック
2012年1月19日、130年の歴史を持つフィルム・カメラの代名詞、米コダック社が破産申請をした(ロイター)。

カメラ事業は大変儲かるビジネス。
カメラを買った後にも、人々はフィルムを買い続けなければいけない。フィルムでも儲かり、そして写真を現像するときにも儲かる。


しかし、デジタル・カメラではフィルムでも現像でも儲からない。


デジタル化は、コダックのような大企業にとっては魅力のないものに写ったし、何より、自社の強みを打ち消すような技術である。それゆえにコダックはデジタル・カメラの参入に遅れてしまい、CanonNikonなどの日本勢に負けてしまった。
但し、デジタル・カメラを最初に開発したのは他でもないコダックコダックは現在でもデジタル・カメラに関連した多くの特許を保有している。



事例2:富士フィルム
コダックと同じようなフィルムメーカーであった富士フィルムは、フィルム製造に関連した多数の技術を、化粧品などの基礎素材に応用し、上手くフィルム事業の衰退を新しい分野に置き換えっていった。