1.自分よりも賢い人を周りにおくこと 3.市場や他人が何を望むかではなく、自分自身は何が欲しいかを考えて、ものをつくること 1カ月で取り組むべきアイデアを見つけ出すプロセス

1.自分よりも賢い人を周りにおくこと

まわりの人が自分より「面白い」「興味深い」「頭がいい」環境に自分を置いてください。まわりがすばらしいからこそ、自分が走り続けなければいけないように仕向けるんです。より簡単な道のりを選ぶのではなく、むしろ自分自身を大変な境遇においてみることが大事です。

だから私はいま、自分よりも賢い人を雇うようにしています。ここでいう「賢い」は、自分よりもすべてにおいて優れているという意味ではありません。何かしら、1つの面でもそう感じられれば良いのです。私は突出したスキルがあるわけではないけれど、あらゆる面で力が発揮できるジェネラリストだと思っています。私の基本はプログラマーですが、だからこそ優秀な人に出会うと「あ、この人は優秀だな」とわかるので、その人を雇えるのです。

つまり、自分の実力やスキルをある程度わかっていれば、優秀な人を雇えるわけです。だからこそ、その実力に気づくコミュニケーションの力、そして何か1つのスキルをまず身につけることが大切です。



3.市場や他人が何を望むかではなく、自分自身は何が欲しいかを考えて、ものをつくること

私はEvernoteを始める前に会社を2つ興しています。最初はPC関連のコンサルティング。次に政府や公共機関へ製品を収める仕事です。利益も出たし、仕事は大変だったけれど、どちらにも満足はできませんでした。その理由として思い当たったのは、「顧客が何を望んでいるかを常に考え続けなければいけなかったから」です。

そこで、2つめの会社を売却して、3回目の起業をしました。そこでは「他社」でなく「自分自身」を顧客にして製品をつくろうと思いました。これがEvernoteです。ぜひみなさんも、自分自身のために何かを作り出したり、取り組んだりしてみてください。自分のために作っているので、「良いものは良い」と判断ができるはずです。自分自身のためにつくり、それに共感してくれる人が現れたら、みんなが使ってくれるようになりますよ。



1カ月で取り組むべきアイデアを見つけ出すプロセス

偉大な企業というものは、最初にすごいアイデアがでてきて作られたと考えがちですが、実はそういった例はめったにありません。すばらしいアイデアを出すためのシンプルなプランが存在します。もっと簡単なアプローチで何かを生むことはできるのです。

まずは2週間、「日々の生活の中で何が起きているか」に注目します。朝起きてから、通学や勉強をする中で、自分がやっているあらゆることに注目してみてください。それが済んだら、さらに2週間、「友人や親が何をしているか」を観察してください。

これで1カ月になりますね。そうしたら、その中で「いつもやっていること」「行動、活動、作業としてくりかえしていること」「やらなければならないと思いながらやっている嫌なこと」を考えるのです。その行動を好きになれるように、あるいはやりたいと思えるように変えるのが鍵になります。それこそが、偉大な製品、偉大な企業の源です。

そういったことを日々の生活の中で注目すると、すばらしいアイデアが生まれてきます。あらゆることはもっとより良くすることができる、という発想につなげるのです。世の中はもっとより良くしていくことができるし、それをするのは「誰か」ではなく「自分自身」なんだ。それが、僕にとっても大切な人生の秘訣だと感じています。今日お話したことが、みなさんの人生の役に立つことを期待しています。