●真のブラック企業とはいかなるものか

●真のブラック企業とはいかなるものか


 確かに「ブラック=無条件で悪」と脊髄反射的に批判されては議論が進まない。ここではいったん、「ブラック企業擁護論反対派」(わかりにくい表現で恐縮だが)がやり玉に挙げる「労基法違反かどうか」という観点は脇においておき、「報酬」という切り口から考えてみたい。


【1】仕事の報酬を、時間軸で分けてみる。

(1)今もらえる給料

(2)将来得られる可能性のある給料、スキル、キャリア、中長期的な市場価値…など


【1】仕事も分けてみる。

(1) 業務量(時間的にハードワークか、楽か)

(2) 難易度(内容的にプレッシャーがあるか、楽か)


 そうすると、いくつかの象限に分かれた企業像が浮かび上がってくる。


○超優良ホワイト企業

仕事が楽(残業なし/プレッシャーなし)

給料高い

終身雇用で将来安定

既得権益を独占している会社など


○優良ホワイト企業

仕事はややハード(ハードワークだが残業代あり/プレッシャーなし)

給料高い

終身雇用で将来安定

→トップシェア商材がある会社、インフラ系など


○超優良ブラック企業

仕事はハード(ハードワーク/プレッシャーあり)

給料高い

将来的な市場価値高い

→戦略系コンサルティング会社、外資系金融など


○優良ブラック企業

仕事はハード(ハードワーク/プレッシャーあり)

給料安い

将来的な市場価値高い

→実力あるIT系や人材系、サービス系のベンチャー企業など


○真のブラック企業

仕事はハード(ハードワーク/プレッシャーあり)

給料安い

スキルにならない

→中小零細の人材使い捨て企業